タイトル−スイスレポート
スイスレポート第2弾
 こちらに来るにあたって、ゆっくり読もうと思っていた本を数冊持ってきたのですが、その中の一冊に「哲学の最前線」(冨田恭彦著、講談社現代新書)という本がありました。 僕は衝動買いが趣味でして(自慢にならない!)、この本も何の気なく本屋の中をブラッと歩いていて見つけた本で、別に特に哲学に興味があったわけでもなく、「哲学も知っと きゃなあかんかな!?」と不純な理由で購入したものでした。一時が万事こういうものですから、多くは途中で挫折してしまうのです。 ところが、この本は以外にもおもしろくって、がっついて読んでしまいました。 哲学を専門にされている方や詳しい方が読まれたら、どうお思いになるのかわかりませんが、甚だ無知の僕にとってはとても新鮮な本の一冊になりました。 内容をここに書くのは大変ですので、省略しますが、僕がとても新鮮だったのは、高校の授業で受けた哲学によって教えられていた、西洋の世界観や真理といったものと違った新し い世界の見方でも言いましょうか。現代アメリカのそれらの考え方とは違った最新の哲学を非常にわかりやすく書いてありまして、ただただ面白く興味深く読むことができました。 とくに最後の部分は考えさせられるものでした。 もし、興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら読んでみてください。 そして感想など聞きたいですね。

 さて、先週末よりスイス南部の古い街「シオン」というところに友人の受けている講習会に旅行をかねていってきました。 「シオン」という街は毎夏、ジャズフェスティバルが行われていることで有名なモントルーから、さらに東へ30分ほど電車で入ったところにあり、周りを山に囲まれた静かな街です。 この街には古城がありまして、何とも独特な雰囲気をかもしだしています。 こちらへ、旅行にお越しになられる際は、是非にも足を運んでみてください。

 ここでの講習会はそれなりに有名らしいのですが、講習会というものに参加したことのない僕には興味深いものでした。たくさんの講師がここを訪れていましたが、僕がもっとも興 味を惹かれたのは、ブラジル人のROBERTO SZIDONというピアニストです。 彼は、デュッセルドルフで教えている教授で、完全に太っていて(すごい表現ですが・・・)、腹に常にスイカを隠している感じがするのです。 しかし、彼の出す音は、体格からは想像できない力の抜けた、無理のない、それでいて広がりある実に多種多様な音を紡ぎだしていきます。 また、不思議なのは弾いている時に肘から上が全然動かないのです。 横への運動はあるようなのですが、まるで弾いていないかの様に見えるのです。 「太りすぎの結果、動けない!!」という説もありますが、たくさんの音色と、それを自由に操ることができるというのは何ともうらやましいことなのではないかと僕は思いながら聴 いていました。>次ページ

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