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「フォルスタッフ氏の陽気な恋愛講座」 |
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2001年9月22日(土)、23日(日)の2日間、東京グローブ座にて、前回の桜声舎公演「音楽のパビリオン」にも出演いただいた、古今亭志ん輔師匠の舞台「花のお江戸の半次郎」が催されました。
この舞台はグローブ座主催で、シェークスピアの演劇をもとに志ん輔さんが創作落語を上演するという毎年行われているシリーズです。
2001年は、ここに桜声舎が出ました!
まずは、その創作落語の導入音楽、挿入音楽を加藤さんが書き下ろし、そして、ファールスタッフの陽気な恋愛講座と題して、有名なオペラのアリアを、ちょっとおかしな案内役とともに、ご披露するというものです.(脚本は宮本さん!)
桜声舎の舞台には、赤池 優、宇田川哲也、太田佐百合、加藤昌則、紙谷和子、宮本益光が出演しました。
まあ、寄席に桜声舎が出演!!??みたいなちょっと変わった空間。
そのときの、台本をみなさんにもご紹介いたします!
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フォルスタッフ |
小田川哲也 |
ソプラノ |
赤池優 |
バリトン |
宮本益光 |
ピアノ |
加藤昌則 |
舞台には小さなテーブルと椅子が三脚。テーブルには数本のワインとグラス、数冊の本。
ソプラノとバリトンは椅子に、ピアニストとともに暗転板付き。
明かりが入るとフォルスタッフ陽気に登場。登場とともにアリアを歌う。
「フォルスタッフ」アリア(一番のみ)
台詞
(ほどよく酔っ払って)
皆さん、ごきげんよう!!
私はまったく酔っ払っておりましぇん!!
いやあ、あえて言うなら、恋に酔っているかな‥・ムフウ
男も酔えば、女も酔う。恋は魔法よ。
(酒を注ぎつつ)
だから私はその魔法にかかるのを避けるべく、自らコイツ(酒)で酔うわけでして。
(氷雨のオープニングが流れ、フオルスタッフ歌う)
「飲ませてください、もう少し‥・」
ところでここにいるのは、私のかわいい「恋の人形」。
今日は皆様に、この人形を使って恋のお話をしようと思うわけ!!
まずは、こんな話からお楽しみください。
スイッチ・オーーーーンッッッ!!!
(フォルスタッフ退場)
二重唱「ドン・ジョヴアンニ」君の手をとり人形がラヴラヴになっているところにフォルスタッフ走りながら登場。なぜか嫉妬しつつ必死になって二人を引き離す。
台詞
イヤーン!!
そんなことは許しません、認めません、許可しませんっ!!!
(バリトン人形に)この遊び人っ!!
(ソプラノ人形に)この浮気ものっ!!
お前たちは愛の神を冒涜するつもりですか!!
ちょっと袖様に聞いちゃうんだから。
(携帯電話を取り出し)
神様の電話番号は・・・と、1059-1919-093
皆様は テンゴク イクイク オクサン・・・と覚えておいて頂戴!!
(電話がつながる。赤ちゃん言葉で)
「ああ、モチモチ神チャマでちゅか?ここに悪い人がいまちゅよ。え?なになに・・・お酒を?ウンウン・・・飲んで・・・ハイハイ・・・忘れなさい!!」
ンモーウ、しょうがないなあ!!!そりゃ、まずいよ。本番中だもん。
でもちょっとだけ。
(氷雨のオープニングが流れ、フオルスタッフ歌う)
「飲ませてください、もう一杯・・・」(と、歌いつつ酒を飲む)
(バリトン人形に)
オイッ、貴様っ。今度は真面目に告白しろよっ!!
(フォルスタッフ退場)
独唱「ポッロのプロポーズ」
(フォルスタッフ登場)
うまくいく恋もあれば、そうでない恋もあるわけさね。
かつてこんな恋の話がありました。
「ああ、ダニロ。ダニロ、ダニロ、ダニロ様。どうしてあなたはダニロなの?」
「ああ、愛しい僕のハンナよ。実は僕の名前、ダニロのロは、ロじゃなくて、漢字のクチなんだよ。僕の名前はダ・ニ・グ・チ。」
「ええっ、あなた、ダニグチさんだったの?・・・でもそんなことどうでもいいの。私、あなたについていくわ。ダニグチ ハンナ・・・素敵な響き・・・」
(フォルスタッフの最後の台詞にかぶせて前奏)
二重唱「メリー・ウィドウ」高鳴る調べに
台詞
(本を持って登場。朗読しつつ)
「たぐいなく美しいものの子孫こそ殖えてほしいのです。
そうすれば、美の薔薇が死に絶えることはない。
やがて時がきて、年老いたものが亡くなっても、
若いあとつぎが面影を伝えてくれようから。」(シェイクスピア「ソネット集」より)
これは私の父の言葉ですが、確かにそのとおりかもしれません。
子供とは、富の総決算に他ならないのです。
(再び朗読しつつ)
「私を愛しているなら、もう一人の君をつくってくれ。
子供らや、君の中で、美がいつまでも生きるように」(シェイクスピア「ソネット集」より)
二重唱「魔笛」パパパ
後奏で酒を飲んでいるフォルスタッフを人形が引っ張り、無理やり客にお辞儀をさせ、皆で退場。
以上 |
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