 |
 |
 |
世界平和音楽祭 in広島
Mozart DON GIOVANNI 公演レポート (2) |
 |
 |
 |
 |
広島でのドン・ジョヴァンニの稽古も進み、よい感じでまとまってきました。本番の約一週間前にもかかわらず、すでにスペインから舞台装置も届き、舞台ではセッティングも始まっています。
ここが中央と違うところで、地方では頻繁に演奏会があるわけではないので、公演の何日も前からホールを押さえることができるようですね。
かなり美しい舞台ですよ。あの質感は、たった一度しかやらないという事情をかかえる日本のオペラ公演では、まず見られないでしょうね。
演出家も本場で活躍する凄腕です。名前はマリオ・コッラーディ。それにしても独特の感覚には時々困惑させられます。
例えば自分は練習時間にしょっちゅう遅れるんですよ。10分くらいは当たり前。でも合唱団員が1人でも来ていないと激怒するのだ。日本人は皆、仕事を抱えながらだから、無理なんだと毎日説明しても駄目なんです。結構ひどい言葉で文句言ってます。僕らがイタリア語を全く理解できないと思っているようです。
でも演技に関しては、かなり興味深い要求をしてきます。自ら動きながら演出をつけてくださるのだけど、その演技がうまいっ。ほんとうにすばらしい。仕事をしていながらこんなこと言うのも変かもしれませんが、かなり勉強になっています。
前にも書いた、イタリア人歌手、ジャンピエーロはまちがいなく将来、国際的に注目されることでしょう。見れば見るほど、すばらしさが実感できます。
今、彼とはドイツ語で会話しています。実は、意外だったのですが、彼はシューベルトの歌曲をすこーし勉強したことがあるそうで、それで分かるのだそうです。とはいっても、それほど流暢な会話ではなく、僕といい勝負です。
昨日は休憩中に、チョコくれたので食べていたら、「俺のチョコがなくなったー、こいつにとられた」と大騒ぎしていました。
今回の公演には、言語指導の専門家が同行しており、発音から表現法まで細かく指摘してくださいます。日本人なのですが、日本語がよく分かるイタリア人といった感じの方です。
この方のいるおかげで、今回のオペラのできは数倍アップするのではないかと思えるほどすばらしいお仕事をされています。私たちにとって決して近いとは言いがたい言語を、いかに魂のこもったものにするか…
彼の仕事は、単なる発音指導ではなく、その点に注目しているのです。
演出プランについても、言ってしまいたいほど面白いシーンがたくさんありますが、会場にて見てくださる方もいるでしょうから、公演終了後掲載しましょう。
今日の広島は、厳粛な1日です。(記事掲載は8
月6日)
>次頁(3)へ続く
|
 |
 |
|