タイトル−エッセイ集
「うどん、ちゅるちゅるじゃっ」
楽しい声楽のレッスン
 奇妙なタイトル。
 いったいなんのことかと言いますと、僕が高校生の頃、声楽のレッスン中、先生に言われた言葉です。

 最近このページにも音楽大学生の投稿が増えてきました。
 声楽のレッスンの場というものは、様々な音楽のレッスンの中でも、かなり独創的な空間ではないかと思っています。
 特に初歩の段階において、声楽では楽器の指使いを教えるように具体的にそのレッスンを進めるわけにはいかず、様々なたとえ話が飛び交います。
 これがなかなかおもしろいのだ。

 「うどんちゅるちゅるじゃっ」は、過去のレッスンノートを見ますと高校三年のときに頂いた、ありがたいお言葉です。
 残念ながら現在、その意味は理解不可能・・・です。

 なかなか理解しない弟子に、先生はよく得意の話術で稽古をつけてくださいました。
 ノートに残っているユニークなものを挙げてみます。
 その意味、分かるかなー。

 1.大きなたらいに水が張っています。その水は静かで、そこに花を1輪、なんの力も借り   ず立てる感じじゃ。
 
 2.目の前の滑走路から、飛行機がまっすぐ飛び立っていくんじゃ。
 
 3.体は三枚におろすんじゃ。 
 
 4.ストローで水をチューじゃ。

 皆さん、僕の先生を誤解しないで下さい。僕が悪いのです。
 僕は高校生のころ、不真面目弟子の代表格でしたから、そんな生徒にどうしたら分かるか先生も苦労されたと思います。僕の先生は本当に熱心な方で、国際的にご活躍されているにもかかわらず、集一回の稽古はきちんとつけてくださいました。
 こころから感謝しています。

 不思議なもので、当時わからなかったことが、今ごろ分かったりします。また、生徒を持ち、教えてみて、始めて自分の中で明確に理解できたこともあります。

 音大生の皆さん。きっと皆さんもユニークなレッスンうけたことがあるでしょう。でもその時間って、実際に受けている者(しかも継続して)にしか分からない素敵な空間だとは思いませんか。

 こうして文章にすると面白いけどね。

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