タイトル−スイスレポート
スイスレポート第1弾
 音楽は時間芸術だと言われますが、空間あっての時間芸術だなあと改めて見直しました. 空間を意識することにまず音楽はあるのかもなあと思いながら、先ほど湖であったアヒルのハインリッヒ(勝手に名前をつけてみたのですが・・・・)と再会して再びビールをひっか けておりました. このオペラのなかにはよくアリアとして演奏される曲がありまして、コンクールなんかでも演奏されるのではないでしょうか???もし聞く機会がありましたら注目してみて下さい. すごい曲です. もし、今あのようなアリアを書いたら、相当作曲家は演奏家から恨まれるのではないかと思わせる恐ろしい曲です.(高音がとにかくいっぱいでてきます.これでもかこれでもかと いうくらい・・・) ところで、僕がいる今の町はチューリッヒから電車で20分ほどのヴィンターテュアーという小さい町なのですが、この町でも毎晩どこかで演奏会が開かれていて、気軽に行くことができます. 日本では演奏会に行くというのは場所が遠かったりして、行くことにエネルギーが必要ですが、こちらでは日本で言う演奏会に行くことは、どちらかと言うと正装をして、オペラハウスや大きなコンサートホールに行くことの様な気がします. 時々は正装をして、そのような会場にも行きますが、家の近所の小さなホールで催される小さなコンサートにもちょくちょく足を運ぶというのがこちらの人の感覚だそうです. 環境として、このように気軽に行ける会場が家の近くにあちこちあって、また気軽に聞きに行くという感覚が何ともうらやましく見えます. だからと言って、今の日本の環境を嘆いても仕方ないのですが、地域にある小さな会場なども、もっと積極的に安値で使わせてくれるようになるといいですね. 余談ですが、僕の家のすぐそばにある横浜市の施設である、ある小さなホールはほとんど使われておりません. 会場自体は悪くないと思うのですが、客席数に比べ、設備費などが僕に言わせれば高く、ホール主催でない限り、広報には協力を一切してくれません. これでは採算はとれないし、宣伝への労力も地方なだけに、大変です.発表会などでは使われておりますが、公演となると気軽に借りるのは難しいのではないでしょうか. いろいろと書きましたが、文化が違うという一言で片づけてしまうのではなく、盗めるところは盗んで、もっと文化活動がしやすい環境になればとこちらにきてつくづく思います. そのためには僕らの公演以外の活動も必要なのでしょうが、音楽などを聴きに行く方もこのような環境改善に理解を抱いていただければ、もっと音楽会などが身近なものになるのかもしれません. さて、今日もコンサートです.今日は室内楽の演奏会に行きますが、この演奏会はなんと無料です. 無料の演奏会も多いんですよ. あ、でも桜声舎もただにしろなんて言わないで下さい. いずれ、出資がどこからかだされたら、やってみたいですね、無料桜声舎公演!!! 演目は何がよいでしょうか!??

Winterthurにて
加藤 昌則
トップに戻る